ベネズエラ地震の死者が920人に達した——しかも、この数字はまだ確定ではない。6月25日(現地時間)、ベネズエラ北部を二連続の大地震が直撃。第二波のマグニチュードは7.5を記録し、BBCは「同国100年ぶりの強震」と報じた。3360人が負傷、172人が今も瓦礫の下に取り残されているとされ、国連人道問題調整官トム・フレッチャーは約2000人の国際救援隊が現地で活動中と発表している。

ラ・グアイラ州で何が起きたか——国際空港と主要港が集中する地域を直撃

被害が最も深刻だったのは、首都カラカス北部に位置するラ・グアイラ州。ここはシモン・ボリバル国際空港とベネズエラ主要2港のひとつが集中するエリアで、いわば国の「玄関口」にあたる。建物の倒壊が相次ぎ、少なくとも243人がこの州だけで生還。一方で、ショッピングセンターの崩壊現場では今も多くの人が瓦礫の下に閉じ込められたままだ。

負傷者は臨時医療施設で手当てを受けているが、病院自体も被害を受けており、体制は明らかに限界に近い。倒壊した建物の数は北部全体で数十棟に上ると伝えられている。

「娘たちはそこで働いていた。見つかってほしい。信じて待っている。彼女たちしかいないの、お願い」——ラ・グアイラ州在住のナタチャ・ディアスさん(BBCの取材に対して)

22歳と23歳の娘2人がショッピングセンターの倒壊に巻き込まれた母親の言葉が、現地の凄惨さをそのまま伝えている。こうした家族が今も現場の周囲に集まり、情報を待ち続けているらしい。

2000人の国際救援隊——それでも足りない現実

国連のトム・フレッチャー調整官は、各国から派遣された約2000人の救援隊が現地入りしたと明かした。ただ、マグニチュード7.5の揺れが広域に及んでいることを考えると、対応が追いついているとは言いにくい状況だ。

ベネズエラは長年の経済危機で医療・インフラ整備が遅れており、今回の地震はその脆弱さを一気に露わにした格好になった。ロドリゲス国民議会議長(暫定大統領の兄)は国営テレビで死者数と救出状況を発表したが、独立した情報確認が難しいベネズエラの政治環境もあり、実際の被害規模はさらに大きい可能性が指摘されている。

この先どうなる

国際救援隊が活動を続ける中、最優先課題は生存者の早期救出だ。地震発生から時間が経つにつれ、瓦礫の下での生存率は急激に下がる。ラ・グアイラ州の空港・港湾機能が回復しなければ、物資の搬入にも支障が出てくる。

国際社会の支援規模と、ベネズエラ政府が外国援助をどこまで受け入れるか——この2点が今後の明暗を分けそうだ。政治的な制約が人命救助の妨げにならないことを、ただ願うしかない場面でもある。