トランプ対中関税が「90日後には緩和される」という見方を、トランプ本人がひっくり返した。Truth Socialへの投稿で改めて撤回しない姿勢を示し、145%という数字はそのまま生き続けることになった。これは単なる交渉カードじゃなく、長期戦の宣言に見える。
145%関税、米国内ではもう値札に出ている
現時点で中国からの輸入品には最大145%の関税が課されている。スーパーの棚やAmazonの価格に、それはじわじわ反映されつつある。家電、衣料、玩具——中国製が多くを占めるカテゴリほど影響が早い。製造業側も調達コストの上昇を吸収しきれず、米国内の消費者物価への転嫁が避けられない状況らしい。
米中貿易戦争の第一幕は2018年だった。あのときも「すぐ終わる」と言われたが、関税の多くは今も残っている。今回の145%はそれより格段に高く、交渉が成立しなければ長期固定化のリスクが高い。
「90日間の猶予期間が設けられていたにもかかわらず、撤回する意思はないと主張している」(NewsRadarJP・ナレーション台本より)
ポイントは「猶予を使い切っても動かない」という姿勢そのもの。これが交渉テクニックなのか、本気の長期戦略なのか、そこが読み切れない。
日本が「第三国の割り食い」になる可能性
調べていて引っかかったのは、生産移転先の問題だ。中国からベトナム、インドネシア、タイへと製造拠点が移れば、その国々のインフラ・労働コストが一気に跳ね上がる。日本企業が東南アジアに持つ工場も、周辺コストの変動にさらされることになる。
さらに、米国が「中国製迂回品」への目を厳しくするシナリオもある。第三国経由で輸出された商品に追加関税をかける動きは、米中貿易戦争の過去の局面でも起きていた。日本からの輸出品が「中国製パーツを多く含む」として狙われれば、自動車や電子部品に飛び火しかねない。145%関税の余波は、直接の当事者だけで終わらないってことだ。
この先どうなる
中国側は報復関税と希土類輸出制限で対抗姿勢を崩していない。両国が交渉テーブルに戻る気配は今のところ薄く、関税が「常態」になる可能性は低くない。日本にとっては、円安・原材料高に続く第三の重しになりうる。サプライチェーンの再設計を急ぐ企業と、様子見を続ける企業の差が、2〜3年後の競争力の差として出てくるんじゃないか。トランプ対中関税の長期化を「対岸の火事」と見ていると、気づいたときには手遅れになっている——そんな展開が十分ありえる。