アベラルド・デ・ラ・エスプリエリャ——この名前を、トランプは「エル・ティグレ(虎)」と呼んで祝った。2025年、コロンビアの大統領選で浮上したこの人物に、アメリカ前大統領がいち早く反応したのは単なるリップサービスではないかもしれない。

トランプが「虎」と呼んだ男、アベラルド・デ・ラ・エスプリエリャとは

トランプはTruth Socialにこう書き込んだ。

「コロンビアの新大統領、『エル・ティグレ』(ザ・タイガー!)アベラルド・デ・ラ・エスプリエリャに祝意を述べます!」

「エル・ティグレ」とは、デ・ラ・エスプリエリャの政治的ニックネームらしい。コロンビア国内では強硬な治安政策や経済再建を訴える保守寄りの人物として知られており、現職のグスタボ・ペトロ左派政権に対する反動として支持を集めたとみられている。ただし、この投稿はTruth Social上の一次発言であり、コロンビア政府や主要メディアによる選挙結果の独立した確認は現時点では得られていない点には注意が必要だ。

コロンビア大統領選が米国の「関税カード」を揺らす理由

コロンビアは南米有数の産油国であり、米国にとっては原油供給の重要パートナーでもある。それだけじゃなく、米国への麻薬流入ルートをめぐる外交摩擦の震源地でもあった。

2025年初頭、トランプ政権はコロンビアへの移民送還機受け入れ拒否をめぐって25〜50%の関税を「即時発動する」と脅迫、コロンビア側が折れる形で決着したという経緯がある。ペトロ政権との関係は最後まで冷え切っていた、というのが正直なところだ。

そこへ登場したのがデ・ラ・エスプリエリャ。トランプ式の「強いリーダー」への親近感が透けて見える今回の祝意は、米コロンビア関係の「リセット」を念頭に置いた政治的シグナルと読む向きもある。保守政権が誕生すれば、麻薬対策での協力関係や貿易条件の再交渉も現実的な選択肢として浮上してくるだろう。

コロンビア大統領選の行方は、米国の対ラテンアメリカ政策全体にも波及しうる。ベネズエラ問題、中国のインフラ投資攻勢、移民・麻薬ルートの遮断——いずれもコロンビアの立ち位置次第で変数が変わる。

この先どうなる

最大の焦点は、デ・ラ・エスプリエリャ政権が本当に発足し、トランプ政権との「ハネムーン外交」が機能するかどうかだろう。選挙結果の公式確認が進めば、就任後の最初の対話——特に麻薬対策協定の見直しと原油輸出条件——が試金石になる。トランプが「虎」と呼んだ男の外交デビューは、南米のパワーバランスを静かに動かすかもしれない。ひとまず続報を待ちたい。