ドル円が2024年7月以来、約1年ぶりの最安値水準まで沈んだ。2026年6月17日、Bloombergが報じたこの急落は「また円安か」で済まない話で、介入警戒論がにわかに高まっている。

日米金利格差、1年経っても縮まらなかった理由

米連邦準備制度(Fed)は高金利を長期維持する姿勢を変えていない。一方の日本銀行は、正常化に向けた利上げのペースを依然として慎重に刻んでいる。この日米金利格差が埋まらない限り、投資マネーはより利回りの高いドルへと流れ続ける仕組みで、円売りの構造は変わっていなかった。

市場では「日銀がもたもたしているうちにここまで来てしまった」という声も聞こえてくる。7月の政策会合までに何らかのシグナルが出るかどうか、それが今の最大の読みどころらしい。

「Japan Intervention Fears Mount as Yen Drops to Lowest Since 2024」――Bloomberg, June 17, 2026

Bloombergの見出しに「介入懸念(Intervention Fears)」という言葉が躍ったことは見逃せない。2022年〜2024年にかけて財務省が複数回実施した円買い介入の記憶は市場に残っており、一定の水準を超えれば再び動くという警戒感が相場を支えている面もある。

家計を直撃する「悪い円安」、2年前の再来か

輸出企業にとって円安は追い風だが、エネルギーと食料をほぼ輸入に依存する日本の家計には逆風そのもの。電気代・ガス代・食料品の値上がりが実質賃金を削り、消費が腰折れするという流れはすでに2022〜2023年に経験済みだった。

日銀の正常化が後手に回れば回るほど、この悪循環が長引く。物価は上がるのに賃金の実感が追いつかない、あの息苦しさが戻ってくる可能性がある。政府・日銀への圧力は静かに高まっているところだろう。

この先どうなる

焦点は7月以降の日銀政策決定会合だ。追加利上げに踏み切るシグナルが出れば円買い戻しが入り、相場は反転する可能性がある。逆に現状維持が続くようなら、市場は「次の節目」を試しに行く展開も想定される。財務省が口先介入から実弾介入に移行するラインをどこに引いているかも、今後の相場の伏線になりそう。日銀総裁の次の発言一つが相場を動かす、そんな局面に入った。