米軍イラン空爆が2日連続で行われた——APがそう報じた時点で、中東情勢はもはや「局地的な応酬」という言葉では収まらない段階に入っていた。標的は核関連施設および軍事拠点とみられ、単なる報復の打ち合いとは性質が違う。イランの軍事的な背骨そのものを折りにいっている、そんな印象を受ける攻撃内容だった。

ホルムズ海峡封鎖で原油価格はどこまで跳ね上がるか

調べると、ホルムズ海峡封鎖リスクの深刻さが改めて数字で見えてくる。世界の石油輸送量の約20%がこの細い水路を通過している。日本、韓国、インドといった輸入依存国にとって、ここが閉じることは「値上がり」ではなく「供給途絶」に近い話だ。

さらに厄介なのが米国側の状況で、石油備蓄が21年ぶりの最低水準にある。有事の際の緩衝材が極端に薄い状態で、今回の爆撃が始まったわけだ。価格が跳ね上がっても吸収できる余裕は、少なくとも米国には今ほとんどない。

「US and Iran have agreed to wording of a deal to end their war, Pakistan's prime minister says」——AP News, 2025

パキスタン首相がこう述べているのは、外交的には小さくない動きだ。ただ、爆撃音が鳴り響く中で「文言が整いつつある」という状態が、どこまで実効性を持つのか。停戦合意と軍事行動が同時並行で動いている、そういう奇妙な局面に今ある。

イラン核施設攻撃の「2日連続」が意味するもの

イラン核施設攻撃が1日で終わらず2日連続になったことは、作戦の規模と意図の両方を示唆している。1回の奇襲ではなく、継続的な制圧を意図しているとすれば、これはイランに対して「核開発を続ける時間を与えない」という明確なメッセージになる。

イラン側の対応次第では、ホルムズ封鎖が「切り札」として浮上する可能性がある。湾岸産油国にとっても死活問題だが、イランにとっては数少ない対抗手段のひとつ。実際に封鎖に踏み切るかどうかは別として、その「脅し」自体が原油先物市場を動かす材料になりやすい。

この先どうなる

パキスタン主導の停戦交渉が実を結べば、事態は一気に落ち着く可能性がある。一方で、イランが核関連施設への攻撃を「レッドライン越え」と判断してホルムズ海峡封鎖に動けば、原油価格の急騰と供給不安が連動して広がるシナリオが現実味を帯びてくる。日本にとっては対岸の火事じゃなく、エネルギー輸入コストに直結する話。今後数日間のイランの出方と、パキスタンが仲介する外交の進捗が分岐点になりそうだ。