フィリピン地震2025、その揺れが記録されたのは5月22日のことだった。マグニチュード7.8——広島型原爆の数百倍のエネルギーが地表に放出されたと聞いて、ちょっと立ち止まらざるを得なかった。AP通信によれば、少なくとも35人が死亡し、複数のビルが倒壊。津波警報は震源周辺だけでなく、太平洋全域の沿岸国へと広がった。
M7.8がフィリピンで起きる「当たり前」の怖さ
フィリピンは環太平洋火山帯のど真ん中にある。年間約1500回の有感地震が記録される国で、地震そのものは珍しくない。ただ、今回のM7.8は話が違う。震度にして「大規模」に分類されるこの規模は、建物の耐震基準が十分でない地方都市では特に被害が大きくなりやすいらしい。現地では救助活動が今も続いており、倒壊したビルの下に取り残された人がいるとも報じられた。死者数が35人で止まる保証はどこにもない状況だ。
「フィリピンでマグニチュード7.8の地震が発生し、少なくとも35人が死亡。建物が倒壊し、津波警報が発令された。」(AP通信)
津波警報が太平洋全域に出たという点も見逃せなかった。日本、ハワイ、南太平洋の島国まで一斉に警戒態勢に入ったわけで、「フィリピンの地震」が瞬時に「太平洋規模の問題」に変わる。環太平洋火山帯が持つ連鎖リスクを、改めて突きつけられた感じがした。
農業・観光・港湾——東南アジアのサプライチェーンへの波及
経済的な打撃も無視できない。フィリピンは農業・観光・輸出港湾インフラが主要産業で、これらが今回の地震でどこまでダメージを受けたか、まだ全容がつかめていないのが現状だ。特に港湾インフラへの被害は、東南アジア全体のサプライチェーンに波及しうる。半導体や農産物の輸出ルートが一時的にでも滞れば、日本を含む周辺国の輸入価格にも影響が出てくるかもしれない。フィリピン地震2025の余波が、物流コストとして日本のスーパーに届く日が来ないとも言い切れない。
この先どうなる
救助活動の進展次第で、死者数は数日内に大きく動くだろう。倒壊したビルの撤去作業には時間がかかるうえ、余震リスクも残っている。津波警報については、発令から数時間以内に各国・地域ごとに解除・継続の判断が出るはずで、実際の津波の高さや到達状況がそのまま被害規模を左右する。フィリピン政府は国際支援の受け入れを早急に判断する局面に入っており、日本のJICAや米軍太平洋司令部などの動向も今後の焦点になりそうだ。環太平洋火山帯に生きるということの重さを、また一つ思い知らされた出来事だった。