カート・アルミの名前が、トランプのSNS投稿一本でアメリカ政治の話題の中心に躍り出た。5月、トランプはTruth Socialに「彼を次期上院議員候補として支持表明することは大変な名誉」と書き込み、モンタナ州の共和党レースに自らの「お墨付き」を打ち込んだ。
連邦検事22年——アルミとはどんな人物か
カート・アルミ氏はモンタナ州連邦検事を長年務めた法律家で、州内での知名度は相応に高い。連邦検事という経歴は「法と秩序」を押し出すトランプ流の候補像とも重なる。共和党内では既に一定の支持基盤を持っているとされていて、そこにトランプの支持が乗った形だ。
モンタナ州は人口こそ少ないが上院の議席は重い。2026年中間選挙でのモンタナ州上院選は、共和党がマジョリティをさらに厚くできるかどうかを左右するレースの一つとして注目されている。
「カート・アルミ氏を次期上院議員候補として支持表明することは、私にとって大変な名誉です。彼は素晴らしい候補者です。」──Donald J. Trump(Truth Social)
トランプの支持表明がどれほどの実効力を持つか、過去の数字を見ると見えてくるものがある。2022年中間選挙では、トランプが支持を表明した候補の約8割が共和党予備選を通過した。単なる「応援」ではなく、予備選の当落を左右する「エンドースメント」として機能してきた実績がある。
2026年中間選挙でトランプが狙う「顔のある上院」
今回の支持表明は単発の話ではなさそうだ。トランプは自らが選んだ候補を通じて、上院の顔ぶれを塗り替えようとしているように見える。2026年中間選挙を見据え、親トランプ路線の上院議員を増やして立法府での主導権を握る——そういう絵を描いているとすれば、モンタナはその駒の一つにすぎない。
一方で課題もある。トランプのお墨付きが強烈すぎるあまり、党内の多様な声が削がれるという批判は以前から根強い。共和党内の穏健派や地元事情を重視する有権者が、どう反応するかはまだ見えていない。
この先どうなる
モンタナ州上院選の予備選に向けて、アルミ陣営はトランプ支持を最大限に活用した選挙運動を展開するとみられる。ただし、過去に「トランプ支持 = 予備選通過 = 本選勝利」の方程式が崩れた例もあって、本選での民主党候補との戦いは別の戦略が要る。2026年中間選挙のモンタナ州上院選は、トランプ流エンドースメント政治の有効期限を測る試金石になるかもしれない。