ホルムズ海峡の条項をめぐる修正要求が、ようやく形になりかけた米イラン停戦合意を再び宙に浮かせている。CBSニュースが報じたところによると、トランプ大統領は現在の合意草案に手を入れるよう求めており、焦点は二点——世界の石油輸送量の約20%が通る同海峡の再開条件と、高濃縮ウランの撤去に関する文言だという。
60日停戦案に盛り込まれた「数十億ドル」の取引
Axiosが土曜日に最初に報じた最新の合意草案には、60日間の暴力停止だけでなく、ホルムズ海峡の再開要求、イラン核開発をめぐる交渉再開の枠組み、さらに凍結資産数十億ドルへのアクセスを可能にする制裁緩和の可能性まで含まれているとされる。
単なる停戦延長ではなく、経済的なカードも絡んでいる。イランにとって凍結資産の解放は死活的な意味を持つだけに、この条項が交渉の引力になっているのは間違いない。
「修正要求はホルムズ海峡と高濃縮ウランの撤去に関するものだとCBSニュースが報じた。最新の合意案には60日間の停戦、ホルムズ海峡の再開要求、イラン核開発交渉再開の枠組みが含まれるという。」(CBS News / BBC報道より)
木曜日には米側が「覚書(MOU)」として知られる枠組みで合意に達したと発表し、あとはトランプとイラン指導部の承認を待つだけとも伝えられた。ところが金曜日の「最終決定会合」は結論を出せずに終わり、翌日曜日には修正要求の報道が出た——という流れを追うと、交渉がいかに綱渡りかが分かる。
ガリバフ首席交渉官「権利が保障されなければ合意しない」
イラン核合意交渉の首席交渉官であるガリバフ氏は日曜日、立場をはっきり示した。「イランの権利が完全に保障されない限り、いかなる合意にも応じない」という発言は、交渉チームに妥協の余地がどれだけ残っているかを問いかけている。
ガリバフ氏の強硬姿勢は国内向けの示威でもあるが、同時に交渉テーブルでの実質的な拒否権にもなりうる。高濃縮ウランの撤去という条項がどこまで具体的に書き込まれるか——そこが双方の「飲める線」と「飲めない線」の境界になっているとみられる。
一方、トランプ大統領は以前の発言で「核兵器を持たないという保証さえあれば」という姿勢を示していた。完全な非核化と、ウラン濃縮能力の保持という両国の立場はまだ埋まっていない。
この先どうなる
交渉が動くとすれば、次の焦点はトランプ側の修正要求をイランがどこまで受け入れられるか、という一点に絞られてくる。ホルムズ海峡の条項は原油市場にも直結するため、合意が近づけば市場も反応する可能性が高い。
イラン核合意交渉は過去にも「合意まであと一歩」と報じられながら崩れた経緯がある。今回の60日停戦という時限的な枠組みが、圧力として機能するのか、それとも単に先送りになるのか——そこが今後数日で見えてくるはずだ。ガリバフ発言のトーンが次に変わるタイミングが、一つの観測ポイントになりそうだ。