トランプ大統領のイラン提案をめぐる協議が、また結論を出せなかった。5月29日、ホワイトハウスで側近らと2時間にわたって詰めた末に、最終決定は「先送り」——トランプ氏本人がSNSで「決断の準備ができている」と匂わせた直後の話だから、驚きが大きい。
2時間の密議で割れたホワイトハウス内部
ニューヨーク・タイムズに政権高官が語ったところによると、焦点は停戦延長の可否だったらしい。圧力路線を押す強硬派と、対話継続を主張する交渉派——どちらが優勢だったか、記事には書かれていない。ただ、2時間かけても結論が出なかったという事実が、内部の綱引きの激しさを物語っている。
「大統領は停戦延長の可能性についてホワイトハウスで2時間にわたり側近と協議した」(ニューヨーク・タイムズ、政権高官談)
調べてみると、ここ数週間でトランプ政権はイランとの間接交渉を複数回試みており、オマーンを仲介役にした水面下の協議も続いているとされている。にもかかわらず決定が出ないということは、テーブル上の条件がまだ双方の許容範囲に入っていないんじゃないかという見方が自然に浮かぶ。
「先送り」が原油市場に送るシグナル
中東核協議が暗礁に乗り上げるたびに、原油先物はざわつく。イランは世界有数の産油国であり、ホルムズ海峡を抑える地政学上のキープレーヤーでもある。停戦延長 中東のシナリオが崩れれば、エネルギー供給リスクは即座に価格に反映される構図だ。
今回面白いのは、「決定が出なかった」こと自体が市場のバロメーターになっている点。ホワイトハウス 2時間協議という具体的な情報が出ると、投資家は「交渉はまだ生きている」と読むのか「内部対立で迷走している」と読むのか——どちらに振れるかで原油価格の短期トレンドが変わってくる。先送りの繰り返しが続けば、不確実性プレミアムが市場に織り込まれていく可能性もある。
この先どうなる
次の注目点は、イラン側がこの「沈黙」をどう解釈するかだろう。最高指導者ハメネイ師は過去にも、米側の煮え切らない態度を「交渉の意志なし」と断定して協議を打ち切った経緯がある。一方、イラン国内でも経済制裁の打撃は深刻で、合意へのニーズが消えたわけじゃない。トランプ氏が「準備ができている」と発信しながら動かないこのパターン、もう一度繰り返すのか、次の協議で一気に動くのか——どちらに転んでもおかしくないところが今の中東情勢の読みにくさで、その温度計としてこのニュースを見ておく価値はある。