山西省炭鉱爆発が起きたのは先週金曜の朝——死者82人という数字が確定するころには、中国のSNSはすでに沸騰していた。「安全第一と言い続けた15年は何だったのか」。そんな声がプラットフォームを埋め尽くしている。

通州集団「重大違法」——幹部は当局管理下、4炭鉱すべてが停止

爆発が起きたのは山西省・柳沈峪炭鉱。ガス爆発で少なくとも82人が死亡し、120人以上が負傷した。中国当局が翌土曜の記者会見で明らかにしたのは、運営する通州集団に対する「重大な違法違反」の初期認定だった。

通州集団の経営幹部はすでに当局の「管理措置」下に置かれ、同社が山西省内で運営する炭鉱4か所すべての作業停止命令も出た。具体的にどんな違反があったかは現時点で公表されていない。ただ国営メディアはこの民間炭鉱のさまざまな問題点を相次いで報じており、調査が進めば新たな事実が浮かぶ可能性が高い。

「初期調査の結果、民間炭鉱を運営する通州集団が『重大な違法違反』を犯していたことが示されている」(BBC News報道より)

通州集団からの公式コメントはまだない。BBCも接触を試みたが回答は得られなかったという。

「2000年代の惨劇が戻ってきた」——82人という数字が揺さぶるもの

中国の炭鉱事故といえば2000年代を思い浮かべる人は多い。あの時代、年間数千人規模の死者が出ていたのは決して遠い昔話ではない。習近平体制が「安全生産」を国是に掲げて以降、大規模事故は目に見えて減っていた——少なくとも数字の上では。

今回の82人という死者数は、15年以上ぶりの最悪規模だと報じられている。「15年間の努力がリセットされた感覚」という声がSNS上に流れているのを見ると、単なる事故報道以上の重さを感じさせる。

中国の石炭生産は世界全体の約半分を占める。通州集団違法操業の実態が調査で明らかになれば、中国の炭鉱安全規制がどこまで機能しているかという問いが、国際エネルギー市場でも改めて問われることになるだろう。

この先どうなる

当局は「厳正な調査と厳しい処罰」を約束した。ただ中国では過去にも事故直後に強硬姿勢を示しながら、処分が有耶無耶になったケースがあった。今回は習近平体制が掲げてきた「安全第一」の看板がかかっているだけに、幹部レベルへの刑事責任追及まで踏み込むかどうかが焦点になりそうだ。

また山西省内4炭鉱の停止が長引けば、石炭供給への影響も無視できなくなる。炭鉱安全規制の抜き打ち強化が全国規模に波及する可能性もあり、しばらくは中国の石炭生産動向を注視しておく必要がありそうだ。