キューバ米国交渉が「最初から失敗するよう仕組まれていた」——そんな告発が国連の場で飛び出した。キューバのグスマン国連大使がインタビューに応じ、ハバナ側は交渉テーブルに着く用意があったにもかかわらず、トランプ政権が軍事行動に向けた口実を意図的に積み上げていたと語ったのだ。外交の舞台裏でいったい何が起きていたのか、調べるほどに引っかかる点が増えてくる。
大使が口を開いた——「対話は望んでいた」
グスマン大使はインタビューの中でこう述べた。
「ハバナは対話を望んでいる。しかしトランプ政権は軍事行動のための口実を作り出している。」
この発言が重いのは、交渉決裂の責任の所在を真正面から問い直しているからだ。米キューバ関係は2015年のオバマ政権下での国交正常化で一時は前進したが、トランプ第二期政権はキューバを再びテロ支援国家に指定。経済制裁を強化し、島国への圧力を段階的に引き上げてきた経緯がある。
キューバ側の主張が事実なら、ワシントンが行っていたのは「外交交渉」ではなく、軍事介入の地ならしだったってことになる。中東での介入前夜と重なるパターンを指摘する声が、国際社会の一部でじわじわ広がっている。
トランプ対キューバ政策——中東型シナリオとの不気味な重なり
米キューバ外交の歴史を振り返ると、圧力と対話の往復は何度も繰り返されてきた。ただ今回が過去と異なるとすれば、告発の主体が現役の国連大使であるという点と、その場所が国連という多国間の目が集まる舞台だったこと。外交ルート内での密かな異議申し立てではなく、公開の場での告発を選んだのはなぜか——ここが気になった。
背景には、キューバ国内の経済的疲弊もありそうだ。電力不足、食料難、移民の急増。追い詰められた状況の中で外交解決を模索していたハバナが、その窓口を意図的に閉じられたと感じているとすれば、大使が直接「告発」という手段に出た動機として筋が通る。
トランプ政権側はこれらの主張に対して現時点で公式な反論を出していない。沈黙それ自体が一種のメッセージと受け取る向きもある。
この先どうなる
米キューバ外交の行方は、当面は「膠着」か「エスカレーション」の二択に絞られつつあるらしい。国連での公開告発によって国際的な注目が集まれば、第三国や国連安保理を巻き込んだ局面に移行する可能性は否定できない。一方でトランプ政権にとってキューバへの強硬路線は国内支持層へのアピールにもなっており、外交的妥協は選びにくい。ハバナが本当に対話の意志を持っているかどうかの検証も含め、今後は国際社会の「監視」の目がどれだけ機能するかが分岐点になるんじゃないか。