ライ清徳政権が、トランプの警告に24時間以内に反論した。北京で習近平と会談を終えたトランプが「台湾は独立宣言を控えるべきだ」と発言した直後、台湾・大統領府のスポークスパーソン、カレン・クォがカメラの前に立った。
「宣言不要」——ライ清徳がずっと言い続けていたこと
ライ清徳は以前から一貫して「台湾はすでに主権国家であり、改めて独立を宣言する必要はない」というスタンスを取ってきた。今回のカレン・クォの声明もそのラインを踏み外していない。
「台湾が主権を持つ独立した民主国家であることは自明だ」——台湾大統領府スポークスパーソン、カレン・クォ(BBCおよびロイター報道より)
ただし同時に、台湾は「現状維持」にもコミットしていると付け加えた。つまり独立を正式宣言せず、かといって中国と統一もしない、という綱渡りの立場を崩していない。台湾の多くの市民が「現状維持」を支持している以上、これは国内世論とも整合する。
110億ドル——トランプが「どちらとも約束していない」と言った意味
今回の騒動で見落とせないのが、約110億ドル(約1兆6000億円)規模の対台湾武器売却パッケージの行方だ。トランプは北京からの帰国後、「承認も凍結もどちらも約束していない」と述べており、近く判断を下すとロイターが伝えた。
米国は法律上、台湾の自衛手段を提供する義務がある。一方で北京との外交関係は「一つの中国政策」を受け入れることが前提になっている。この二つが同時に成立するのか、改めて問われているのが今の局面だ。習近平はトランプとの会談で「台湾独立の動きは見たくない」と伝えたとされており、武器売却の凍結が取引材料になった可能性は否定できない。
台湾独立をめぐる問題は長年の懸案だが、武器売却が「宙吊り」になるのは異例に近い。承認されれば台湾の防衛力強化、凍結されれば中国への事実上の譲歩と見られる。どちらに転んでも、台湾海峡の温度計は大きく動く。
この先どうなる
トランプの「近く決定する」という発言が、今後数週間の最大の注目点になりそうだ。承認なら台湾は一息つけるが、中国は強く反発するだろう。凍結なら北京は満足するかもしれないが、台湾は孤立感を深め、ライ清徳政権への国内圧力が高まりかねない。米中間の「台湾カード」として、この110億ドルはしばらく宙に浮いたままになる可能性が高い。