オミドリハビリ病院空爆で269人以上が死亡した。3月16日のことだ。20年にわたる対テロ戦争中でさえ、これほどの規模の単一攻撃はなかった——国連がそう結論づけた事件なのに、攻撃を行ったパキスタン政府はいまだに民間施設を標的にした理由を説明していない。

「弟の体はバラバラだった」——269人の死を残した空爆の朝

カブール郊外の丘の上にある墓地。雨の朝、マスーダ(27)は弟ミルワイス(24)の墓を探して歩いた。だが弟がどこに埋められたかすら、正確にはわからない。

「弟の体は粉々だった。渡してもらえたのは胴体だけ。アザで弟だと確認した」

集団墓地には白い小石が並べられ、灰色の花崗岩の板がざっくりと置かれているだけだった。何人が眠っているのかも定かではない。国連報告書が確認した死者数は269人だが、「実数はこれを大幅に上回る可能性が高い」と報告書自体が認めているという。

パキスタン軍はなぜ薬物リハビリ施設を狙ったのか

パキスタンとアフガニスタンの間では、ここ数カ月で戦闘が続いており、死者の大半はパキスタン側の越境空爆によるものだったとされる。イスラマバード側の主張はこうだ——タリバン政権がパキスタン国内を攻撃する武装勢力を匿っている、と。

パキスタン・アフガン越境攻撃そのものは以前からあった話だ。ただ今回は違う。標的にされたのは薬物依存者の回復施設。そこに集まっていた人々が武装勢力の戦闘員だったという証拠は、攻撃から2カ月が経った今も一切提示されていない。国連は戦争犯罪捜査を求めており、国際人道法への重大な違反にあたるかどうかが問われている段階だ。

国連の報告書が出た火曜日以降、国際社会の視線は一気にイスラマバードへ向いた。「調査せよ」という声は人権団体だけでなく、外交筋からも上がりつつある。もっとも、パキスタン側は今のところ公式な反論の場すら設けていない。

この先どうなる

国連が正式な戦争犯罪調査に踏み込むかどうかが、当面の焦点になりそうだ。タリバン政権が実効支配するアフガニスタンでは独立した司法調査は期待しにくく、国際機関の動きが遺族にとって唯一の「答え」になりうる。パキスタン・アフガン越境攻撃をめぐる緊張はこの事件以降も続いており、両国の関係が外交交渉で落ち着く気配は今のところない。269という数字が戦争犯罪として記録されるのか、それとも「武力紛争の副産物」として埋もれていくのか——その判断を下す場が国際社会に求められている。