カルビーの包装変更が、スーパーの棚で静かに起きていた。2026年5月、あのカラフルなポテトチップスの袋が白黒になった——原因は中東からのインク原料が届かなくなったから、というから驚いた。Bloombergが報じたこのニュース、単なるパッケージリニューアルじゃない。ホルムズ海峡の緊張が印刷インクの供給不足を招き、日本の食品メーカーを直撃した結果らしい。
インクがなくなる仕組み——ホルムズ海峡とカルビーをつなぐ線
食品パッケージに使われる印刷用インクの主成分は、石油系原料。中東産の原料を積んだタンカーがホルムズ海峡を通れなくなれば、インクメーカーの調達ルートが詰まる。その影響が川下の食品メーカーまで流れるのに、それほど時間はかからなかったってことだ。
調べてみると、日本はエネルギー原料の大半を中東依存で賄ってきた。石油だけじゃなく、石油由来の化学原料にも同じリスクがある。印刷インクの供給不足は、そのサプライチェーンの脆弱性が可視化された一例にすぎないとも言える。
「カルビー株式会社のポテトチップスが、新たなモノクロ包装で販売されている。」(Bloomberg、2026年5月12日)
この一文の重さ、じわじわ来ないだろうか。軍事費でも原油価格でもなく、スナック菓子の袋の色が変わる。それが今の戦争コストの届き方だったりする。
カルビーだけじゃない——製造業を締め上げる「見えない供給危機」
印刷インクの調達難はカルビー固有の問題ではなく、食品・日用品・医薬品など幅広い業種に同じ圧力がかかっているとみられる。包装材・ラベル・段ボール印刷……製品が消費者の手に届くまでに通過するあらゆる「印刷工程」が影響を受けうる。
今回のカルビーの対応は「モノクロ化」という苦肉の策だったが、こういう判断を迫られる企業が今後増えるのはほぼ確実。コストを価格転嫁するか、品質・デザインを落とすか、供給を止めるか——選択肢はどれも消費者に何らかの形で届く。
この先どうなる
ホルムズ海峡の緊張が長引けば、石油系原料を使うあらゆる製品のコストが上がり続ける。印刷インクの供給不足はその最初の「見える化」だったと、後から振り返ることになるかもしれない。代替ルートの開拓、バイオ系インクへの切り替え、国内調達の強化——いずれも一朝一夕では解決しない話で、食品メーカーにとっては当分の間、パッケージコストとの格闘が続きそう。カルビーのモノクロ袋が「レアもの」で終わるか、業界標準になるか。それはホルムズ海峡の行方次第、というのが今の現実だ。