ラファ侵攻が「深部」に踏み込んだ日、検問所では食料を積んだトラックが列をなして止まっていた。パレスチナ保健当局と複数の支援団体が水曜日に確認したのは、民間人の死者数が増え続けているという事実だった。

検問所で止まるトラック――ガザ人道支援遮断の現場

国連やNGOの報告をたどると、問題の輪郭が見えてくる。食料・医薬品・燃料を積んだ支援車両が、イスラエル軍の検問所で足止めされている。避難民が密集するラファ市内への搬入はほぼ機能しておらず、現地スタッフは「棚が空になっても補充できない」と話しているらしい。

2023年10月の戦闘開始以来、ガザの人道状況は段階的に悪化してきた。ただ、今回のラファへの地上作戦本格化で、その崩壊スピードが一段上がった感がある。これまでは「悪化」と「崩壊」の間に少し猶予があったが、今はその猶予が消えつつあるんじゃないか。

「パレスチナ保健当局と支援団体によると、水曜日にイスラエル軍がラファ深部への侵攻を進める中、ガザ地区では人道支援物資の搬入が停滞し、犠牲者数が増加し続けていると報じられた。」(AP通信)

国際法上、民間インフラへの攻撃や支援物資の意図的な遮断は戦争犯罪に当たる可能性がある。イスラエル側は「ハマスの拠点を排除するための軍事作戦」と位置づけるが、現場に届いている映像や証言は、その説明と重なりにくい部分も多い。

130万人が逃げ込んだ街で、今何が起きているか

ラファはガザ最南端の都市で、戦闘開始後に北部・中部から避難してきた人々が流れ込んだ。推計で130万人前後が集まっていたとされる。そこへイスラエル地上作戦が深入りすれば、逃げ場は事実上なくなる。エジプト国境もほぼ閉じた状態で、外に出る選択肢が残っていないのが現状だ。

国際社会は「人道回廊の即時確保」を求める声明を繰り返している。米国、EU、アラブ連盟がそれぞれ圧力をかけているものの、停戦交渉は膠着したまま。カタールが仲介する交渉テーブルは動いているものの、合意の糸口はまだ見えていないらしい。

この先どうなる

最大の焦点は二つ。一つは、支援物資がいつ、どのルートで再び搬入できるようになるか。国連WFPはすでに「深刻な飢餓リスク」を警告しており、時間の猶予は週単位で測られている。もう一つは停戦交渉の行方で、次の72時間以内に何らかの動きがなければ、ラファ侵攻はさらに北側の地区へと拡大する可能性が高い。イスラエル地上作戦がラファの次をどこに向けるか、各国政府の動向も含めて注視が必要な局面だ。