African Lion 2026の演習中に、米兵2名がモロッコ南部の訓練区域から突然消えた。土曜日のことだった。発表されたのは翌日曜日で、Africom(米アフリカ軍)は声明を出した時点でもまだ行方を掴めていなかった。
キャップ・ドラ訓練区域とは——タン・タン、その地理的な孤立
行方不明となった場所は、モロッコ南部・大西洋岸に近いタン・タン市郊外のキャップ・ドラ訓練区域。地図で確認すると、人口の少ない乾燥地帯が広がる。砂漠に近い地形での捜索は、都市部とは条件がまるで違う。地上・航空・海上の3つのリソースを同時投入したのも、その地形的な広さと厳しさが理由じゃないかとみられる。米国・モロッコ・その他参加国が連携して捜索にあたっているらしい。
「事案は現在も調査中であり、捜索は継続している。我々の関心は、当該兵士とその家族に向けられている」——Africom声明(2025年)
当局はテロや誘拐の可能性を否定し、事故との見方を示している。ただし詳細はまだ明かされていない。
40カ国・5,000人規模——African Lion 2026の実態
African Lion(アフリカン・ライオン)は、アフリカ大陸最大規模の年次合同軍事演習。今年はモロッコ、ガーナ、セネガル、チュニジアの4カ国にまたがり、40カ国以上・5,000名以上の兵員が参加している。スケジュールは4月27日から5月8日まで。全領域作戦・危機対応・多国間調整の訓練が中心で、米国の30社以上の民間企業パートナーも加わっているとのこと。Africomが長年力を入れてきた「アフリカでの存在感の維持」を象徴する演習といえる。ここ数年、サヘル地域でのクーデター連鎖によって各国の米軍拠点が次々と縮小・撤退を余儀なくされた流れがある中、モロッコとの協力関係はAfricomにとって数少ない安定した足がかりのひとつになっている。
この先どうなる
捜索活動は現在も継続中で、Africomは情報が入り次第、追加の声明を出すとみられる。演習自体は5月8日までのスケジュールだが、行方不明者の状況次第では一部訓練の見直しも考えられる。2名の身元は公表されていない。家族への連絡が最優先とされているためだ。Africom モロッコの協力体制がこの局面でどこまで機能するか——捜索の結果が、今後の演習運営や米国とモロッコの軍事協力の評価にも影響してくる可能性がある。続報を待ちたい。