Callais case(カレイス事件)で、連邦最高裁が6対3という開きのある票差で判決を下した。保守6人・リベラル3人という現在の最高裁構成がそのまま数字に出た格好で、「割れた」というより「割れなかった」ことが話題になっている。
6対3の中身——誰が、どこで、何を争っていたのか
カレイス事件の核心は、ルイジアナ州の選挙区割りにある。連邦議会の選挙区を引き直す際、黒人有権者を意識的に集めた「多数派少数民族区(majority-minority district)」を設けることが、Voting Rights Act(投票権法)上の義務なのか——それとも逆に、人種を基準にした区割りそのものがEqual Protection Clause(平等保護条項)違反になるのか、という問いだ。
1965年制定の投票権法は、南部諸州で組織的に行われていた黒人選挙妨害を封じるために生まれた。以来60年、「少数民族の代表権を確保せよ」という解釈で運用されてきたが、保守派はここ数年、「人種に基づく区割り自体が差別だ」という逆張り論を積み上げてきた。カレイス事件はその集大成とも言える。
「本日の最高裁によるカレイス事件での6対3の判決は、法の下の平等保護における大勝利だ!」——Donald J. Trump(Truth Social、2025年)
トランプ氏の投稿は短いが、そこに込められた意味は重い。Equal Protection Clauseを「人種を考慮しないこと」の根拠として使う——これは「カラーブラインド憲法解釈」と呼ばれる立場で、保守派がここ数十年かけて積み上げてきた論法だ。今回それが最高裁で6対3という明確な形で認められたことになる。
リベラル派が「深刻視」する理由——実際に何が変わるか
判決が直接変えるのは、ルイジアナ州の選挙区割り1件だけじゃない。判決文に盛り込まれる「人種を選挙区設計に持ち込む際の基準」が、全50州の区割り議論に波及する。フロリダ、テキサス、ジョージア——いずれも人種構成が複雑で、すでに訴訟が進行中の州がある。そこに今回の判決が「先例」として機能する可能性があるらしい。
リベラル派が懸念しているのは、少数民族の議会代表が物理的に減ることだ。「多数派少数民族区」を維持できなくなれば、黒人やラテン系が多数を占める選挙区が解体され、白人多数区に吸収される再編が全国で起きる。2026年中間選挙、2028年大統領選と、タイミングは最悪に近い。
この先どうなる
即座に来るのは各州での区割り見直し訴訟だ。特にフロリダとテキサスは共和党主導の州議会が区割り権限を持っており、今回の判決を「お墨付き」として積極的に再編を進めてくる可能性がある。民主党はこれに対抗する訴訟を起こすだろうが、最高裁構成が変わらない限り、上訴しても同じ壁に当たる。長期戦になるのは確実で、2026年の選挙地図がどう塗り替わるかは、これから始まる各州の訴訟の行方次第という状況だ。