ジェームズ・コミー起訴——そのきっかけは、海岸で拾った貝殻で作った数字の写真だった。2024年、元FBI長官がInstagramに投稿した「86 47」という画像。「86」はスラングで「排除せよ」、「47」は第47代大統領トランプを指す。たった2つの数字が、大統領への生命脅迫罪という連邦起訴状に化けた。
「86 47」——貝殻が引き起こした起訴劇
コミー本人は一貫して「数字の意味を知らなかった」と主張している。起訴が明らかになった直後、彼はこう述べた。
「ジェームズ・コミーはトランプ大統領の命に対する脅迫を恥ずべき形で煽り、世界が見られるようInstagramに投稿した」
これはFBI長官カシュ・パテルの言葉だ。パテルはさらに「元長官として、あの投稿が持つ影響と結果を十分に知っていたはずだ」と断言している。一方、コミーは「私はまだ無実だ。まだ恐れていない。独立した連邦司法を今も信じている」と声明を出した。知らなかったのか、知っていたのか——そこが今回の争点になりそうだ。
2017年の解任から続く、トランプとコミーの因縁
コミーがトランプに解任されたのは2017年のこと。ロシアによる米大統領選への干渉疑惑を捜査していた最中だった。あれから8年、トランプは繰り返しコミーの訴追を求めてきた。今回の起訴はその「二度目の試み」にあたる。
コミー自身も「また来た。今回はノースカロライナの海岸で撮った貝殻の写真について。これで終わりじゃないだろうが、私は何も変わっていない」と皮肉交じりに語っている。FBI長官解任という原点から数えれば、両者の対立はもう8年越しということになる。
司法省が動いた背景には、トランプ政権が「政敵への法的追及」と批判される文脈もある。支持者からすれば正当な法執行、反対派からすれば政治的報復——同じ起訴状でも、読み方が真っ二つに割れている状況だ。
この先どうなる
コミーは無罪を主張しており、今後は「86という言葉の意味を本当に知っていたか」を巡る立証が焦点になるとみられる。故意の有無を証明するのは検察側にとって容易ではなく、裁判が長期化する可能性もある。一方でトランプ政権は「法の下の平等」を掲げてさらなる追及を続けるとみられ、コミーへの圧力は今後も続くだろう。投稿から約1年、「貝殻の写真」がどんな判決を迎えるのか——注目が集まっている。