トゥアプセ精油所が、今月だけで3度燃えた。黒海に面したロシア南部の主要施設が再びウクライナのドローン攻撃を受け、大規模火災が発生。クラスノダール州知事コンドラチェフが「消防士160名以上を投入した」と明かしたのは現地時間の火曜朝——それが、この事態の規模を物語っていた。
「黒い雨」が降った街で、また火が上がった
過去2回の攻撃では、黒海への大規模な原油流出が確認されていた。市街地には油性の粒子が混じった「黒い雨」が降り積もり、住民から報告が相次いだという。今回も周辺住民への避難指示が発令され、地元の学校が緊急避難所として機能することになった。
コンドラチェフ知事はテレグラムにこう書いた。
「消防士たちは極めて困難な状況下で作業にあたっており、その取り組みはまさに真の英雄的行為だ。市民と訪問者の命と健康を守ることが最優先事項だ」
今のところ死傷者の報告はない。ただ、周辺の住民が「また」避難を強いられているという現実は重い。
ウクライナが狙うのは「戦費の蛇口」
ウクライナ軍はこのウクライナドローン攻撃について、「精油所はロシアの全面侵攻を資金面で支えている」と正当性を主張している。石油収入を断つことで戦争継続能力を削ぐ——その論理は一貫していて、今月だけで同一施設に3回というのはむしろ戦略的な反復攻撃に見える。
一方、クレムリンはウクライナが「世界のエネルギー市場における石油不足をさらに深刻化させ、一層の不安定化を引き起こしている」と非難。ただ、この発言がどこまで国際社会に刺さるかは、別の話だろう。
ロシアエネルギーインフラへの攻撃はトゥアプセだけではなく、今年に入って複数の製油施設や貯蔵施設がドローンの標的になっている。衛星画像でも被害の広がりは確認されており、ロシア側の修復コストは積み上がる一方とみられている。
この先どうなる
同じ施設が月内に3度攻撃されたという事実は、ウクライナがこの標的を「効果あり」と判断し続けていることをほぼ示している。修復が追いつかなければ、ロシア国内の燃料供給や精製能力に実際の影響が出てくる可能性もある。一方、住民への健康被害——とくに繰り返す油性降下物の長期影響——については、まだ誰もちゃんと答えを出せていない状況だ。次の攻撃があるとすれば、今月中という見方も出ている。