DHS予算停止が82日に達したと、トランプが自身のSNSで告発した。国境警備・移民管理・テロ対策を束ねる省庁が2月14日以降ほぼ機能していない、というのが主張の骨子で、これが事実なら南部国境の人員配置や資機材の調達に直接穴が開いていることになる。
82日間、DHSに何が起きていたか
調べると、DHSは単なる「移民取り締まり省」ではない。税関・国境警備局(CBP)、移民・関税執行局(ICE)、沿岸警備隊、さらにサイバーセキュリティ機関(CISA)まで抱える、年間予算1000億ドル超の巨大組織だ。その資金フローが止まれば、現場の契約職員から車両リース費まで幅広く影響が出うる。
トランプはTruth Socialにこう投稿した。
「過激な左派民主党が2月14日からDHSを機能停止させている。我らが偉大な議長、マイク・ジョンソンは……」
続く部分は取得できなかったが、ジョンソン下院議長が予算採決で事態を動かすと示唆する内容だったとみられる。共和党が下院多数派を握る現状では、議長の采配が審議の速度を左右する。ただ、過去の継続決議(CR)でも保守強硬派の造反が出たことがあり、「議長が動けば即解決」という楽観は禁物じゃないかと感じた。
マイク・ジョンソンが抱える「仲間内の圧力」
ジョンソン議長にとっての難しさは、外側の民主党だけでなく、内側の保守派からの圧力にもある。移民政策に関しては「もっと厳しくしろ」「交渉の余地ゼロ」という声が共和党内にも根強く、妥協案が出れば足元が揺らぐリスクがある。米国国境警備の強化を旗印にして当選した議員が多い以上、単純な予算継続案でさえ踏み絵になりかねない。
一方、複数の安全保障専門家は「資金難が長引けば現場職員の士気と現場能力が著しく低下する」と警告しているとされる。現場の疲弊は統計に出るより先に、マンパワーの空白として国境に現れるらしい。
この先どうなる
焦点は下院での予算審議の行方に絞られてきた。ジョンソン議長が強硬派を説得して継続決議を通せるか、それとも民主党との水面下の取引に踏み込むか。どちらに転んでも傷を負う構図で、DHS予算停止の終着点はまだ見えない。一つ言えるのは、国境警備の現場は議会の政治ゲームを待てるほど余裕がないということ。次の採決期限が、実質的なカウントダウンになりそうだ。