チャールズ国王訪米の開始まで24時間を切ったタイミングで、ワシントンDCに銃声が響いた。土曜日、トランプ大統領が出席するイベントに銃撃者が侵入。シークレットサービス要員1名が軽傷を負い、大統領夫妻は緊急避難した。それでも翌日、バッキンガム宮殿は「訪問は予定通り実施する」と表明した。
銃撃事件後、ホワイトハウスとバッキンガム宮殿で何が起きていたか
事件を受け、ホワイトハウスとバッキンガム宮殿の間では追加の警備協議が即座に行われたらしい。チャールズ国王とカミラ王妃はトランプ夫妻に私的な見舞いのメッセージを送り、英国大使サー・クリスチャン・ターナーは「両国の唯一無二の友好関係を新たにする訪問だ」と位置づけた。スターマー首相も日曜にトランプと電話会談を実施している。
トランプ大統領はCBSの「60ミニッツ」に出演し、こう述べている。
「とても良いことだと思う。国王は非常に安全だ。ホワイトハウスの敷地は本当に安全だ」
強気に聞こえるが、これは単なる安心発言ではなく、訪問中止という選択肢を封じる政治的な言葉でもあったんじゃないか。銃撃事件の翌日に中止すれば、それはそれでホワイトハウスの警備能力への疑問符になる。「決行」という選択自体がメッセージだった。
4日間の国賓訪問が「単なる儀礼」じゃない理由
今回の訪問はワシントンDCを起点に4日間。ホワイトハウスでトランプ夫妻が国王夫妻を出迎えるセレモニーから始まる。英国側にとっては、ブレグジット後の通商交渉や関税問題を背景に、米英特別関係の温度を測る機会でもある。
去年9月にはトランプが英国を国賓訪問し、チャールズ国王と友好的な場面を何度も演出していた。その返礼という側面もあるが、今回は「外交的緊張緩和」という実務的な目的がより前面に出ている。スターマー政権がトランプ政権との関係をどう構築するか。国王という「非政治的な顔」を使って橋渡しを図る、英国外交の古典的な手法が透けて見える。
この先どうなる
4日間の国賓訪問を通じて、英米間の通商・安全保障の実務協議がどこまで前進するかが焦点になりそう。ホワイトハウス銃撃事件の捜査は続いており、警備体制への批判がこの訪問中に再燃する可能性もある。チャールズ国王の「無事な笑顔」が続けば、それ自体がトランプ政権の警備能力への信頼回復に使われるだろう。米英特別関係の次の章が、今週書かれていく。