ホルムズ海峡封鎖が続く中、米・イラン和平交渉が完全に頓挫した——Bloombergが4月26日に報じた。世界の原油供給の約20%が通過するこの海峡がほぼ通航不能のまま推移しており、供給途絶が長期化するシナリオが急速に現実味を帯びている。

タンカーが動けない間に、原油先物だけが動いた

原油先物はすでに上昇に転じた。市場は交渉官より正直だったとも言える。和平交渉の窓が閉じるたびに買いが入り、供給途絶の長期化を先取りする格好になっている。

ホルムズ海峡は一日あたり約1700〜2000万バレルが通過するとされる咽喉部。ここが閉ざされれば、中東産油国からアジアへ向かうルートは大きく迂回を余儀なくされる。コストの跳ね上がりは輸送費だけにとどまらない。

「イラン戦争をめぐる和平交渉再開の努力が頓挫し、ホルムズ海峡はほぼ通航不能のまま、世界市場を揺るがす供給途絶が長期化した。原油は上昇した。」(Bloomberg、2026年4月26日)

今回の交渉停滞で気になったのは、「誰も公式に決裂を発表していない」という点だった。「停滞」と「決裂」は別物のように見えて、市場にとっては同じ結果を意味する。タンカーは動けず、交渉官は沈黙し、値段だけが警告を出しているという状況らしい。

価格高騰のツケを払うのは、中東でも米国でもない

原油価格が上がると、真っ先に打撃を受けるのは産油国でも大国でもない。エネルギー輸入依存度の高い新興国、電気代や燃料費が家計の大きな割合を占める地域の一般市民だ。

バズ実績が示す通り、今月はすでにオーストラリアの2州が交通無料化へ動いたというニュースが広く読まれている。エネルギーコストの高騰が生活インフラの政策判断を変え始めているわけで、ホルムズ封鎖の長期化はその圧力をさらに高める可能性がある。

米イラン和平交渉が再び動き出すには、双方の国内政治的な事情の整理が必要とみられており、短期での転換は難しい情勢だ。

この先どうなる

交渉が「停滞」のまま推移するシナリオが最も蓋然性が高い、という見方が市場には広がっている。原油価格は封鎖の長期化を織り込みながら上昇を続け、エネルギーコストの高止まりが新興国経済を圧迫するサイクルが回りかねない。

注目すべきは、次に誰が「動く」かだ。米国か、イランの内部か、あるいは第三国の仲介者か。タンカーが海峡を通れるようになる日まで、市場の警告音は鳴り続けることになりそうだ。