Cole Tomas Allenが引き金を引いたのは、トランプ大統領が閣僚や記者たちと夕食を共にしていた、その真上の階だった。2025年5月、ワシントン・ヒルトンホテル。ホワイトハウス記者協会の晩餐会が進む中、1フロア上では男と警備員の間で銃撃戦が起きていた。

容疑者Cole Tomas Allen、供述の中身

逮捕されたのはカリフォルニア州トーランス出身の31歳。自称は機械エンジニア、ゲーム開発者、教師——肩書きだけ見れば、どこにでもいそうな人物だ。ところが拘束後、彼は当局に対してこう語ったとされる。

「アレンは当局に対し、トランプ政権の高官を銃撃したかったと話した」——BBCの米国パートナーCBSが2名の情報筋の話として伝えた。

警察によると、アレンは晩餐会の会場から1フロア上の階で警備エージェントと銃撃を交わした。トランプ大統領は月曜日、拘束された容疑者が床に倒れている写真をSNSに投稿。事件の深刻さが一気に広まった。

SNSに残されていた「2024年11月」の投稿

BBC Verifyがアレンのものとされるアカウントを追うと、いくつかの書き込みが浮かんできた。2024年11月、Xへの投稿では「カマラ・ハリスに投票した」と記されていたらしい。同じユーザー名はBlueskyにも存在し、1月には「他の誰かが立ち上がるのを待ち続ける限り、この国は燃え続ける」という言葉を残している。4月にはトランプ大統領を「villain(悪役)」と呼ぶ投稿も。当局はこれらのアカウントと、容疑者が署名したとされる文書——マニフェストとも呼ばれる——との関連を調べている段階だ。ホワイトハウス記者協会晩餐会銃撃という歴史的に前例のない事態の背景に、こうした蓄積があったとすれば、見逃せない経緯といえる。

アレンは月曜日に出廷予定。ワシントン・ヒルトンテロ未遂として捜査が進む中、動機の詳細や単独犯かどうかはまだ確認されていない。

この先どうなる

アレンの起訴内容と動機の全容は、月曜の出廷後に少しずつ明らかになっていくとみられる。大統領警護の警備体制の見直し論議も避けられないだろう。また、SNS上の過激な言動が実際の暴力につながるケースとして、米国内でのプラットフォーム規制議論に波及する可能性もある。晩餐会という「開かれた場」でここまで近づけたという事実は、今後のホワイトハウス周辺イベントの運営を根本から問い直すきっかけになりそうだ。