ホルムズ海峡封鎖が続いたまま、米国がイランの提示した交渉案の精査に入った——Bloombergが4月27日に報じた。世界の原油輸送量の約20%が通過するこの水路が閉ざされて以来、市場は表面上おとなしい。ただ、これを「落ち着き」と読むのはちょっと早い。
原油が「動かない」ことの不気味さ
通常、封鎖ニュースが出れば原油は即座に跳ね上がる。今回は違った。価格は一時的に小康状態を保っているが、これはトレーダーが楽観しているからではないらしい。むしろ「どちらに転ぶかわからなすぎて、ポジションを取れない」という麻痺に近い状態じゃないかと読んでいる。
歴史を引くと、1980年代のタンカー戦争でさえ、実際の封鎖期間は数週間に留まった。今回のイラン核交渉をめぐる対立は、その当時より交渉チャンネルが複雑で、米国内の政治的合意形成にも時間がかかる構造になっている。
「ホルムズ海峡が依然封鎖されるなか、米国がイランの提案を検討し、原油は小康状態」——Bloomberg、2026年4月27日
市場が織り込んでいるのは「解決」ではなく「判断保留」だ。それが崩れる瞬間——交渉成立か完全破談か——どちらに転んでも、原油価格は一気に動き出すとBloombergは分析している。
アジア3カ国が最も割を食う理由
ホルムズ封鎖の原油価格影響を最も直撃されるのが日本・韓国・中国だ。3カ国とも中東原油への依存度が高く、代替ルートや調達先の切り替えには数週間から数カ月のタイムラグが生じる。
特に日本は国内備蓄の取り崩しで短期的な急騰は抑えられても、封鎖が1カ月を超えると製造業の原材料コストが連鎖的に上がってくる。円安が同時進行していれば、エネルギー輸入コストの二重打撃になりかねない。韓国の半導体・造船、中国のサプライチェーン全体にも同じ圧力がかかってくる構図だ。
調べたところ、現時点ではアジア各国政府は備蓄放出や代替輸送の調整を静かに進めている段階で、表立った緊急声明は出していない。「騒がずに動く」フェーズがしばらく続くとみられる。
この先どうなる
米国がイランの提案を審査している期間は、ある意味で「嵐の前の静けさ」に相当する。イラン核交渉が合意に向かえば、ホルムズ再開封とともに原油は急落する可能性が高い。逆に交渉が破談になれば、封鎖長期化シナリオが現実のものとなり、原油価格は1バレル当たりで一段と跳ね上がる展開が想定される。
注目すべき次のシグナルは、米国務省または大統領補佐官レベルの発言と、イラン最高指導者側のカウンターメッセージ。この2つが数日以内に出るかどうかが、相場の次の動きをほぼ決める。静かすぎる市場が今、何かを待っている。