ネタニヤフ攻撃命令が出たのは、停戦延長合意からたった48時間後だった。イスラエルのネタニヤフ首相がIDF(イスラエル国防軍)に対し、レバノン国内のヒズボラ標的への「全力攻撃」を命じたとBBCが報じた。停戦合意が生きているはずの週末に、南部では少なくとも6人が命を落としている。

土曜1日で6人死亡、空爆2件の詳細

まず現場で何が起きたか、整理してみたい。

ナバティエ地区のヨフモル・アル・シャキーフでは、トラックとバイクへの空爆で4人が死亡。ビント・ジュベイル地区のサファド・アル・バッティフでは別の攻撃があり、2人が死亡、17人が負傷した。

IDFの発表によれば、「武器を積んだ車両に乗ったヒズボラ戦闘員3人を排除」し、バイクに乗った1人も同様に排除したという。さらにリタニ川流域で2人のヒズボラ武装メンバーを追加排除。「IDF兵士への脅威を排除した」という説明がついている。

一方ヒズボラ側も黙っていない。南部でイスラエル軍車両への攻撃を「実施した」と主張し、報復連鎖は続いている。

「停戦協定は双方が一部停戦という形で履行してきたが、今回の追加違反によりマルキア地区で不審な航空目標が確認された」——IDF声明(BBC報道より)

ヒズボラ停戦違反をIDF側が積み上げる形で記録し、それを攻撃の根拠にしていくパターン。今回もその流れに見えた。

「停戦」が3週間延長されても変わらなかったもの

今回の停戦延長は木曜日、ワシントンでの両国特使間の協議を経て合意された。「完全な戦闘停止」ではなく「発砲の減少」という表現が使われていたことが、今になって響いてくる。

レバノン南部では今もイスラエル軍が自己宣言した緩衝地帯に駐留し続けており、ヒズボラとの間で小規模な衝突が繰り返されている状況だった。そこにネタニヤフ攻撃命令が重なった形だ。

停戦という言葉は残っている。ただ、その中身はもはや「交戦の管理」に近いのかもしれない、と感じてしまう土曜日だった。

この先どうなる

最大の焦点は、ネタニヤフ攻撃命令を受けたIDFがどこまで攻撃を拡大するか、だろう。現時点では南部の限定的な標的に絞られているように見えるが、3週間の停戦延長期限が迫る中で交渉の余地が狭まっていく可能性がある。

アメリカは延長合意を仲介した立場だけに、今後の動向を静観するとは考えにくい。ワシントンからの圧力と、ネタニヤフ政権の国内政治的要因が綱引きを続ける展開になりそうだ。

レバノン南部 空爆の規模が今週末以降に拡大するか、それとも再び外交の場に戻るか。48時間以内の動きが、次の局面を決めそうだった。