バイデン停戦案への支持表明が、金曜日に突然飛び出した。APが報じた時点で、ガザ南部ラファには100万人を超える避難民が密集している。もし大規模な地上作戦が始まれば、民間人の被害は歴史的な規模になるとも言われていた。

ラファ地上作戦、米イスラエルで何が割れたか

イスラエル軍はラファへの地上侵攻をほぼ既定路線として動いていた。一方、バイデン政権はここ数カ月「人口密集地への大規模侵攻には反対」という立場を繰り返してきた。ただ、言葉だけだった。兵器供給の停止や制裁といった実力行使には、最後まで踏み込まなかった経緯がある。

そこに今回の停戦支持表明。ホワイトハウスはイスラエルとハマスの新たな枠組みを後押しする形を取ったわけだが、見方を変えるとタイミングが絶妙すぎる。

「ホワイトハウスによると、バイデン大統領は金曜日、イスラエルとハマスの新たな停戦案を支持した。イスラエルのラファへの攻撃計画を巡る緊張緩和を目指す動きだと報じられた。」(AP通信)

ガザ人道危機への国際的な批判が頂点に達しつつある中で、「停戦を支持した大統領」というカードを切ってきた格好だ。

11月の大統領選、国内世論がじわり動いた

調べていくと、背景に国内政治の圧力があるのが見えてくる。若い層や民主党左派を中心に、ガザへの軍事支援に反対する声が以前より明らかに大きくなっていた。一部の予備選では「支持なし」票が目立つ結果も出ていて、陣営としては放置できない数字だったらしい。

かといって、選挙直前にイスラエルと公然と決裂するわけにもいかない。停戦案への「支持」という形は、どちらにも完全には敵対しない落としどころとして機能する。批判的に言えば、政治的な逃げ道、ということになる。

ラファ地上作戦が実際に止まるかどうかは、イスラエル側の決断次第というのが現実だ。バイデン政権の「支持」が交渉の流れを変えるほどの圧力になるかは、まだわからない。

この先どうなる

イスラエルがラファ作戦を一時凍結するか、それとも停戦交渉と並行して地上侵攻を進めるか——この数週間が分岐点になりそうだ。ガザ人道危機をめぐる国際社会の圧力は今後も強まる見通しで、バイデン政権がどこまで踏み込むかが焦点になる。11月の大統領選まで残り半年を切っており、停戦か侵攻かという問いは国内世論をさらに揺さぶり続けるだろう。次の動きはイスラエルかハマスか、それともホワイトハウスか。