ドニプロ攻撃で集合住宅が崩れ落ちた土曜の朝、瓦礫の下にはまだ生存者がいるかもしれなかった。ロシアが一夜にわたって投入したドローンは600機を超え、複数メディアが「数日ぶり最大規模」と伝えた攻撃で、ウクライナ全土で少なくとも7人が命を落とした。
ドニプロの集合住宅に何が起きたか
最大の被害を受けた中部ドニプロでは、集合住宅が直撃されて5人が死亡。土曜朝の時点でも救助隊が瓦礫を掘り続けていた。北部チェルニヒウでも2人が犠牲になり、オデーサやハルキウにも攻撃が及んだらしい。
ゼレンスキー大統領はSNSにこう投稿している。
「ロシアの戦術は変わっていない。攻撃ドローン、巡航ミサイル、大量の弾道ミサイル。標的のほとんどは普通の市街地インフラだ。住宅、エネルギー施設、企業が被害を受けた」
ウクライナ当局によれば、600機超のうち「大多数」を迎撃したとのことだが、それでも市街地への着弾を完全には防げなかった。攻撃は「ほぼ一晩中続いた」とゼレンスキーは語っている。なお、ルーマニア上空では英国軍ジェット機がスクランブル発進し、ロシアのドローンが国境付近で探知されたことへの対応だったことも明らかになった。
1,600km先のエカテリンブルクに届いたドローン
面白いのはウクライナ側の反撃の規模だ。ロシア国境からおよそ1,600キロ離れたエカテリンブルクにドローンが到達し、建物に命中。地元当局は6人が負傷したと発表した。ウクライナのドローン攻撃がここまで深くロシア領内に届いたのは異例で、近隣のチェリャビンスクでも工業施設を狙ったとみられるドローンが迎撃されたという。エカテリンブルク報復攻撃は、射程と意志の両方を示すメッセージだったんじゃないか、と受け取る向きもある。
この先どうなる
ロシアのドローン600機超投入という規模は、消耗戦の激化を示す数字だろう。ウクライナ側が1,600km先まで届かせた反撃は、今後の攻撃対象がさらに奥地へ広がる可能性を示唆している。停戦交渉の動きが断続的に報じられる一方で、現場では攻撃の応酬が続いており、ドニプロの瓦礫がまだ片付いていないうちに、次の警報が鳴り響く—そんな状況がしばらく続きそうだ。