UAE RSF支援を示す「初の確証」が、衝撃的な形で世界に突きつけられた。コロンビア人傭兵たちのスマートフォンが、すべてを記録していたらしい。位置追跡データは彼らがUAEの基地を出発し、エル・ファシェル陥落の直前に現地入りしていた事実を克明に示していた。
UAEの否定を崩した「Wi-Fiネットワーク名」
セキュリティ分析機関コンフリクト・インサイツ・グループ(CIG)が今回公表した報告書で、とりわけ引っかかったのがWi-Fiネットワークの話だ。傭兵たちはドローン作戦に従事しながら、自分たちの部隊名をそのままWi-Fiのネットワーク名に設定していた。その部隊名は、UAE拠点企業と直接結びついていた。ちょっと間が抜けているようにも見えるが、これが決定的な証拠になった。
UAEはこれまで一貫してRSF支援を否定してきた。だがCIGのディレクター、ジャスティン・リンチ氏はそこに真っ向から踏み込んだ。
「各国政府が長らく知っていたことを、我々は今、公にする——アブダビとRSFの間には直接のつながりがある」
「各国政府が長らく知っていた」という部分が重い。外交的沈黙の中で積み上げられてきた情報が、今回初めて公文書的な形で世に出たということになる。
エル・ファシェル陥落が意味した数字
コロンビア傭兵スーダン派遣の舞台となったエル・ファシェルは、スーダン西部ダルフール地方最後の主要都市だった。RSFがこの都市を制圧したことで、数万人規模の死者が出た世界最悪の人道危機は、新たな段階に突入した。数百万人が家を追われ、国際社会は「ジェノサイド」という言葉を使い始めている。
今回の調査でもうひとつ浮かんできたのが、コロンビア傭兵ネットワークの規模感だ。かつてラテンアメリカの紛争地帯で鍛えられた元兵士たちが、中東マネーと結びついてアフリカの戦場に流れ込む——その回路が、データで初めて可視化されたとも言える。
この先どうなる
UAE側はこの報告書に対してまだ公式な反応を示していない。しかし「否定」だけでは通じなくなりつつある状況に、アブダビは追い込まれているとみていいだろう。国連やEUが独自に動くかどうか、そしてアメリカが今後この情報をどう使うかが次の焦点になりそうだ。CIG自身も「これは出発点」と述べており、追加調査の継続を示唆している。エル・ファシェルの陥落を「誰が決めたか」という問いへの答えが、じわじわと可視化されていく局面に入ったということじゃないか。