大麻 スケジュール1 再分類が、早ければ今週水曜にも動く。Bloombergが報じたその一報を見て、まず引っかかったのが「今週水曜」という具体的な日付だった。長年「いずれ」と言われ続けてきた話が、急に週単位のスケジュールで語られている。何かが変わったのは間違いない。
ヘロインと同じ棚に50年。その異常さ
スケジュール1とは、米国の規制薬物法(1970年制定)における最高度規制カテゴリー。「医療上の有効性がなく、乱用リスクが極めて高い」とされた物質が並ぶ棚で、ヘロインとLSDの隣に大麻は置かれてきた。
一方で現実はどうなっていたかというと、すでに38州が医療または娯楽目的での使用を合法化している。州法では合法、連邦法では最高度規制。この二重構造のせいで、大麻事業者は銀行口座すら満足に持てず、研究者は連邦資金を使った臨床試験も組めなかった。50年越しの矛盾を、今の司法省がいよいよ動かそうとしているらしい。
「米司法省は早ければ水曜日にも、大麻をより規制の緩いカテゴリーへ再分類する見通しだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。」(Bloomberg、2026年4月22日)
再分類先はスケジュール3が有力とされている。コデインなど一部の鎮痛薬と同じ棚だ。最高度規制から二段階の格下げ。言葉にするとシンプルだが、法的な意味は大きい。
5年で市場が倍になるという試算の根拠
DOJ規制薬物法改正が実現した場合、最も直接的に変わるのは企業の資金調達環境だろう。現状、連邦規制との矛盾を嫌って機関投資家の多くが大麻関連株に参入できていない。スケジュール変更によってその壁が下がれば、年金基金や大手ファンドのマネーが流入する可能性が出てくる。
市場調査では、米大麻産業の合法化と連邦法の整合によって今後5年で市場規模が倍増するという試算もある。課税面でも変化が予想される。現行の内国歳入法280E条は、連邦規制薬物を扱う企業の通常経費控除を認めていないため、大麻事業者は利益以上の税負担を強いられてきた。再分類でこの条項の適用が外れれば、業界全体のキャッシュフローが改善するとみられている。
ただ、手放しで楽観できない部分もある。青少年への影響や依存症対策の整備が規制緩和に追いつくかどうか、懸念を示す研究者や医療関係者は少なくない。州によって規制の粒度がバラバラなまま連邦規制だけが緩めば、監視の網の目が粗くなるリスクもある。
この先どうなる
水曜日に再分類が正式に発表されたとしても、それはスタートに過ぎない。議会の公式審査期間や連邦機関との調整が残っており、完全施行までは数カ月から1年以上かかる見方が多い。株式市場は先回りして動くだろうから、発表前後の大麻関連銘柄の値動きは注目に値する。
日本では大麻は依然として厳格に規制されており、この政策転換が直接影響するわけではないが、世界最大の消費市場である米国の連邦規制が変わることの波及効果は小さくない。国際条約の議論にも飛び火する可能性がある。50年続いた枠組みが動くとき、その余波はたいてい予想より広い。