ホルムズ海峡封鎖が始まって7日。その間に27隻の船が進路変更を強いられ、イラン船籍の貨物船が初めて拿捕された。停戦の時計が水曜日に止まろうとしている今、トランプ大統領はアクセルを踏み続けている。
「27隻転航、1隻拿捕」——米中央軍が明かした7日間の数字
米中央軍(Centcom)の発表によれば、封鎖開始以降、米軍はイラン向けの船舶27隻に対して「転回またはイラン港への帰還」を命じた。さらに日曜日、封鎖を突破しようとしたイラン船籍の貨物船を初めて拿捕。Centcomが公開した映像には、事前警告を無視した船に兵士が降り立つ場面が映っていたという。
テヘランはこれを「海賊行為」と断じ、停戦の枠組みに対する露骨な違反だと非難した。米側は「正当な封鎖行動」と主張しており、双方の言い分はまったく噛み合っていない。
「一週間前に始まった封鎖はイランを完全に破壊しつつある。大差でこちらが優勢だ」——トランプ大統領、Truth Social投稿より
米イラン停戦交渉の第2ラウンドはパキスタンで開かれる予定で、ヴァンス副大統領が米代表団を率いるとされていた。ところが記事執筆時点でヴァンス氏はワシントンを離れておらず、イラン側も参加を決めていないと表明している。イスラマバードの警備は強化されているものの、肝心の当事者が揃う見通しは立っていない。
世界の原油2割が通る海峡——閉じたままなら何が起きるか
ホルムズ海峡は世界の原油取引量の約20パーセントが通過する咽喉部にあたる。イランはこの海峡で独自の封鎖を続けており、米側の封鎖と二重に絡み合う形になっている。エネルギー輸入への依存度が高い最貧国ほど、長期化した場合の打撃は大きくなる。原油価格への影響はすでに市場関係者が固唾を飲んで見守っているところだ。
トランプ大統領のTruth Social投稿は明快だった。「合意が成立するまで封鎖は解除しない」。交渉のテーブルにつく前から、条件は一方的に示されていた格好だ。
この先どうなる
焦点は水曜日の停戦期限をどう乗り越えるかに移っている。ヴァンス副大統領がパキスタンに飛び、イランが交渉に応じれば局面が変わる可能性はある。ただしテヘランが「拿捕は海賊行為」と言い続けている間、着席そのものが国内向けの「降伏」に見えてしまうジレンマがある。封鎖が長引くほど、イランの輸出ルートは細り、交渉力は削られていく。トランプ政権が「圧力を維持すれば相手が折れる」という読みで動いているとすれば、次の72時間がその計算が正しいかどうかを示す最初の答え合わせになりそうだ。