米イラン停戦協議の期限まで時間がなくなってきた。トレーダーたちは売りも買いも手控え、原油相場はいま、まるで息を潜めているような状態らしい。Bloombergが4月21日付で報じたところによると、交渉の結末を見極めるまで動けない、そんなムードが市場全体を覆っている。
世界の原油20%が通るホルムズ海峡、封鎖されたら何が起きるか
注目を集めているのが、ホルムズ海峡だ。世界の原油輸送量のおよそ20%がここを通過する。中東の緊張が高まるたびに必ず名前が出てくる場所だけど、今回は交渉決裂という具体的なシナリオと直結しているところが、これまでと少し違う。
もし協議が破談になれば、欧州やアジアの輸入国は代替ルートの確保に動かざるを得なくなる。その分のコストが積み上がれば、消費者物価を直撃するエネルギー価格の再上昇は、もはや絵空事じゃない。
「停戦期限前の米・イラン協議を待ちながら、トレーダーたちは原油相場の方向感を見失っている。」(Bloomberg、2025年4月21日)
調べてみると、こういう「待機モード」に入った相場ほど、一度トリガーが引かれると動きが大きくなりやすい。エネルギー市場での中東リスクは、静かなときほど次の爆発力を溜め込んでいることがある。
交渉が妥結しても、決裂しても、原油市場への影響は非対称
面白いのは、妥結と決裂で原油価格の動き方が対称でないこと。停戦が成立した場合、供給不安が和らいで価格は下落圧力を受ける。だが一方で、イランへの制裁緩和が即座に原油増産につながるかどうかは別問題で、上値が重い展開が続く可能性もある。
対して決裂した場合は、ホルムズ海峡の緊張が一気に高まり、原油価格への跳ね返りは速い。しかも代替ルートは長距離になるため、アジア向けの輸送コストが割高になる。日本を含むアジア諸国にとって、この原油価格・ホルムズ海峡リスクの組み合わせは他人事では済まない話だ。
この先どうなる
協議の期限が過ぎた後、最初に動くのはおそらく先物市場の夜間取引だろう。その値動きが、交渉の成否を事前に織り込んでいるかどうかの手がかりになる。中東エネルギーリスクを睨みながら、しばらくはその数字を追うほかない。停戦か衝突か、結論は思ったより早く出るかもしれない。