ロンドンのシナゴーグ放火、その背後に「国家の影」が見え隠れしている。英国の対テロ警察が本腰を入れて動き出したのは、単なる憎悪犯罪の捜査じゃない——イランとの関与が疑われる武装グループが、複数の放火について堂々と犯行声明を出しているからだ。
犯行声明を出したグループの正体と、イラン工作ネットワークの影
ニューヨーク・タイムズの報道によれば、英当局が捜査の照準を絞っているのは、イランとの繋がりが疑われる正体不明のイスラム系武装グループ。このグループはロンドンで相次いだ放火事件について、自ら犯行声明を発表している。
「警察は、イランとの関連が疑われる正体不明のイスラム系グループに捜査を集中させている。同グループは最近相次いだ複数の放火事件について犯行声明を出している。」(The New York Times)
ここで引っかかるのは、単独の過激派による衝動的な犯行ではなく、「複数回・組織的・声明あり」という点。これは欧州各地で近年摘発されてきたイランの影響下にある工作員ネットワークのパターンと重なってくる。英国当局はここ数年、まさにそのネットワークの存在を繰り返し対外的に警告してきた経緯がある。
欧州で続く国家主導型の暗殺・破壊工作——ロンドンは「次の標的」だったのか
視野を広げると、この事件は英国単独の問題じゃないとわかってくる。ドイツ、フランス、スウェーデンでも、イランの指示を受けたとされる工作員による暗殺未遂や破壊工作が摘発されてきた。いずれも「反イラン活動家」「ユダヤ系コミュニティ」「西側政府関係者」が標的とされてきた流れがある。
ロンドンのシナゴーグ放火が、そのラインの延長線上にあるとすれば——英国対テロ捜査が単なる「放火犯の逮捕」で終わるはずがない。英国当局はすでにイラン工作員に関連した複数の計画を未然に防いでおり、今回の捜査は国家レベルの安全保障問題に直結している。
この先どうなる
捜査がグループの実態とイランとの繋がりを立証できれば、英国政府は外交的な対抗措置——大使召還、追加制裁、情報機関同士の連携強化——を取る可能性が高い。欧州各国もすでに神経を尖らせており、今回の事件が域内での情報共有や監視強化の引き金になるとみられる。ユダヤ系コミュニティへの警護も当面は手厚くなるだろう。ただ、武装グループの全容解明には時間がかかる——それまでの間、ロンドンの緊張は続きそうだ。