ホルムズ海峡封鎖が、もはや脅し文句ではなくなった。イラン革命防衛隊が海峡の閉鎖を正式に宣言し、通過を試みた船舶2隻が実際に攻撃を受けたとThe New York Timesが報じた。世界の原油輸送量の約20パーセント、1日あたり最大2000万バレルが通る航路で、いま何かが起きている。
船舶2隻が被弾——「示威行為」ではすまない理由
これまでのイランの動きは、どこか「やれるぞ」という見せ方に終始していた。今回は違う。イラン革命防衛隊は米国による海上封鎖が解除されるまで海峡を閉鎖すると表明し、実際に2隻の船舶が攻撃を受けたと伝えられている。
「イラン革命防衛隊は、米国の海上封鎖が解除されるまでホルムズ海峡を閉鎖すると表明した。海峡を通過しようとした2隻の船舶が攻撃を受けたと報じられた。」
攻撃の規模や船籍、被害の詳細はまだ確認中とされているが、宣言と実力行使がほぼ同時に起きたとすれば、話の重さがまるで変わってくる。「宣言だけなら様子見でいい」という判断が崩れた瞬間でもある。
1日2000万バレルの出口が塞がれたら——数字で読むエネルギーリスク
ホルムズ海峡は幅が最も狭い部分で約33キロ。サウジアラビア、イラク、UAE、クウェート、イランが輸出する原油の大半がここを通る。代替ルートは存在するものの、輸送能力はそれぞれ限定的で、全量を吸収できる代替路は現時点でない。
仮に封鎖が数日以上続けば、原油市場への影響は即日で出始めるとみられる。2022年のロシアによるウクライナ侵攻時、欧州向けガスが止まった際の価格急騰を思い出せば、今回の潜在的なショックの大きさはその比ではない可能性がある。日本を含むアジア諸国にとっても、この航路は文字通りの「生命線」にあたる。
米イランは現時点で交渉の席を維持しているとされているが、船舶攻撃という実力行使と外交テーブルを同時に動かす綱渡りは、どこかで破綻するリスクをはらんでいる。次に何が起きるかは、両国が今後48時間でどう動くかにかかっているらしい。
この先どうなる
米国が海上封鎖を継続する限り、イランが封鎖宣言を撤回する可能性は低い。一方で、船舶への攻撃が続けば米軍による護衛任務や報復行動が現実の選択肢に浮上してくる。外交交渉が「やっています」のポーズになるか、実際に歯止めになるか——そこが最大の分岐点だろう。原油価格の動向とともに、今後の米イラン双方の公式声明に注目しておく必要がある。封鎖宣言から最初の72時間が、その行方を左右しそうだ。