サンチェス訪中——欧州の首脳が北京の門を直接叩いたのは、4月13日のことだった。スペインのペドロ・サンチェス首相が習近平政権に対し、イランとウクライナ、二つの戦争を終わらせるために「もっと動け」と公式に求めた。Bloombergが報じた。欧州の首脳がこれほど踏み込んだ言葉を北京に向けたのは、最近では珍しいケースじゃないか。
中国はイランの最大の「買い手」——この関係が停戦を左右する
調べてみると、中国がこの二つの戦争といかに深く絡み合っているかがわかってくる。まずイランについて。中国は現在、イラン産原油の最大の輸入国だ。欧米の制裁網をすり抜ける形で取引が続いており、その規模は月間数百万バレルにのぼるとされる。イランにとって中国は、経済的に生き延びるための最後の綱に近い。
ウクライナ側も同様の構図がある。中国はロシアへの直接的な武器供与こそ否定しているが、半導体や工作機械など「軍民両用」品の流入ルートとして機能してきたという指摘が西側諸国から繰り返されてきた。北京が本気で蛇口を絞れば、ロシアの戦争継続能力に影響が出る可能性はある——らしい。
「スペインのペドロ・サンチェス首相は月曜日に訪中を開始し、北京に対して国際的な影響力を行使し、イランとウクライナの両戦争を終結させる助けを求めた」(Bloomberg, 2026年4月13日)
ただ、ここが引っかかった。中国はずっと「中立」を標榜してきたが、実際の行動を見ると現状維持に近い立場を取り続けてきた。仲裁者の顔をしながら、紛争が続く状況から経済的な恩恵を受けている側面もある。言葉と行動の間に、かなりの距離がある。
米国外交が止まった今、欧州はなぜ北京に向かったのか
サンチェス首相の今回の動きは、単なる外交的なリップサービスではないかもしれない。背景にあるのは、トランプ政権下で米国の中東・欧州関与が不透明になってきたこと。ウクライナへの支援継続さえ揺らぐ局面で、欧州が独自の対中チャンネルを模索し始めたとすれば、それは歴史的な転換点として記録されるかもしれない。
スペインはEU議長国を経験した国でもあり、サンチェス首相はマクロン仏大統領らと並ぶ「中国との対話継続派」として位置づけられている。今回の訪問がEU全体のメッセージを代弁しているわけではないが、欧州の対中仲裁外交に向けた試み、という文脈で読むと重みが増す。
この先どうなる
北京の反応が今後の焦点になる。習近平政権が仲裁者として実際に動く姿勢を見せるなら、イラン・ウクライナ停戦に向けた交渉の地形が変わってくる。一方で、中国がこれまでの曖昧な立場を維持するなら、サンチェス訪中は「欧州が北京に頼もうとしたが空振りだった」という記録になる。どちらに転ぶかは、習近平が次の数週間で何を言い、何を言わないか——そこに全部かかっている。