アルテミスIIの乗組員に、あのトランプが直々に「偉大で非常に才能ある」と声をかけた。タイミングが絶妙すぎて、思わず二度見したくなる投稿だった。

トランプの一言が変えたアルテミスIIの「政治的重量」

トランプ前大統領は自身のSNS「Truth Social」に、NASAが推進する月面有人探査ミッション・アルテミスIIについてこう書き込んだ。

「アルテミスIIの偉大で非常に才能ある乗組員に祝福を。全行程は壮観だった」

表面上は宇宙飛行士へのねぎらいコメント。ただ、次期大統領として返り咲きを果たしたトランプがこのタイミングで宇宙ミッションに言及するのは、単なる感想以上のシグナルに見えてくる。宇宙政策を次期政権の優先課題に据えるための、地ならし的な発信じゃないかと読む向きは少なくないらしい。

月の先にあるもの——資源・通信・軍事の三つ巴

アルテミス計画そのものを振り返ると、これは1972年のアポロ17号以来、半世紀ぶりとなる人類の月面有人帰還を目指す国家プロジェクト。アルテミスIIは有人で月を周回する飛行ミッションで、後続のアルテミスIIIでの月面着陸に向けた重要な中継点に当たる。

ここで見落としたくないのが、米中宇宙覇権の文脈だ。中国は2030年代の有人月面着陸を公言しており、月の南極付近に存在するとされる水資源(水の氷)の確保競争はすでに始まっている。月軌道上の通信・物流インフラを誰が先に整備するかは、将来の深宇宙探査における主導権に直結する。NASAの月面探査計画が「科学の話」として語られる時代は、もう終わりかけている。

トランプ政権一期目では、月面有人探査の加速を命じる宇宙政策指令を矢継ぎ早に出した経緯もある。今回の投稿は、その路線を再び前面に押し出す意思表示と読んでも不自然じゃない。

この先どうなる

アルテミスIIの成果次第で、アルテミスIIIの有人月面着陸スケジュールが具体化していく見通し。トランプ政権が宇宙予算やNASAの優先度をどう設定するかが、今後数ヶ月の注目点になりそうだ。中国の月探査スケジュールとの「見えないレース」がいよいよ可視化されてくる局面で、宇宙開発のニュースから目が離せなくなってきた。