オーストラリアの国民的英雄が、一転して戦争犯罪の容疑者として脚光を浴びている。元特殊部隊員で、国内最高の勲章「ビクトリア・クロス」を持つベン・ロバーツ=スミス氏が、アフガニスタンでの任務中に犯したとされる殺人罪で逮捕されたという報道。これはかなり衝撃的な話だよね。
オーストラリアの英雄、初の戦争犯罪刑事訴追
シドニー空港での逮捕は火曜日のこと。オーストラリア連邦警察(AFP)によると、ロバーツ=スミス氏は2009年から2012年にかけて、アフガニスタンで非武装の被拘束者5人を殺害した疑いが持たれている。報道を見たら、彼は殺人罪1件、共同正犯としての殺人罪1件、そして殺人幇助・教唆・調達の罪3件、計5件の容疑で裁かれることになるようだね。
この話、実は突然降って湧いたわけじゃないんだ。2023年の民事訴訟で、連邦裁判所は彼が複数の非武装アフガン市民を殺害した事実を認定していて、昨年にはその上訴も棄却されていたことがわかった。民事と刑事は別物とはいえ、裁判所が事実認定していたんだから、今回の刑事訴追は時間の問題だったのかもしれない。ロバーツ=スミス氏本人は全ての不法行為を否定し、「根拠のない中傷だ」と強く主張している状況だ。でも、AFPのクリッシー・バレット警視総監のコメントは重い。
「被害者は、被告本人によって射殺されたか、あるいは被告の存在下において、被告の命令に従って行動したADF(オーストラリア国防軍)の部下構成員によって射殺されたと主張される予定です」
この言葉からは、容疑の具体的な内容と、指揮系統における彼の責任が問われることになるだろうということが見えてくるね。
「ブレレトン報告」が示す闇とオーストラリア国防軍の責任
今回の逮捕劇の背景には、2020年に公表された「ブレレトン報告」という、オーストラリア国防軍(ADF)によるオーストラリア戦争犯罪の調査報告書がある。これ、アフガニスタンでのオーストラリア軍の行動に関する徹底的な調査だったんだけど、その内容が衝撃的だったんだ。非武装の捕虜や民間人を違法に殺害した事例が多数あったことが明らかにされたんだよね。新兵に「初殺し」を経験させる目的で捕虜を殺害させる、なんていう信じられないような行為まで記されていたと記憶している。
この報告書を受けて、当時のモリソン首相は遺族に謝罪するなど、国を挙げてこの問題と向き合おうとしていた。ロバーツ=スミス氏のケースも、このブレレトン報告で指摘された事案の一つとして、かねてから注目されてきたんだ。英雄と称えられた人物が、このような闇に関与していたというのは、多くの国民にとっても複雑な心境だろう。今回の刑事訴追は、ブレレトン報告で勧告された内容を実行に移す、まさにその第一歩と見ていいだろうね。軍隊における「合法的な暴力」の行使というデリケートな問題が、改めて問われることになる。
今後の展開と国際社会への影響
ロバーツ=スミス氏は逮捕後、水曜日に保釈審問を受ける予定らしい。裁判となれば、民事訴訟の時とは比べ物にならないくらい、詳細な証拠や証言が求められることになるだろう。彼の英雄としてのキャリアと、今回の戦争犯罪の容疑。この二つの顔が法廷でどのように解明されていくのか、世界中が注視することになるね。
この事件は、単に一兵士の個人的な問題にとどまらない。オーストラリアという国の国際的な名声、そして国防軍全体の信頼性に大きな影を落とす可能性があるんだ。戦場で兵士たちが直面する極限状況を理解しつつも、戦争犯罪は許されないという国際法の原則を、改めて示す重要な判例になるかもしれない。他国の軍隊でも同様の戦争犯罪疑惑が報じられることはある。今回のベン・ロバーツ=スミス氏の刑事訴追が、世界の他の国々でくすぶる戦争犯罪の疑惑にも、刑事責任追及への動きを促すことになるか。これは長期的に見て、国際的な軍事行動における倫理と法の遵守を、より厳しく問うきっかけになるかもしれないな、と調べたら感じたよ。