揺れるハンガリー政局:JDバンス異例の訪問が示すもの
アメリカの現職副大統領、JDバンス氏がハンガリーへ。なんと、ベテランのオルバーン首相の再選を応援するために訪れるという、なんとも異例のニュースが飛び込んできました。BBCの報道によると、ブダペストのサッカースタジアムでオルバーン首相と一緒に選挙集会で演説する予定だそうですよ。これはトランプ前政権の強い後ろ盾を受けて、欧州の同盟国の内政に直接介入するような、前代未聞の事態と見ていいかもしれませんね。
このJDバンス氏の「JDバンス ハンガリー訪問」は、オルバーン首相が直面している政治的危機感を浮き彫りにしています。来たる4月12日の議会選挙は、オルバーン首相にとって約40年の政治キャリアで最も厳しい挑戦だと報じられているんです。なぜかと言うと、元々はオルバーン首相率いるフィデス党の内部にいたピーター・マジャール氏が、彼と決別して中道右派のティサ党を立ち上げたから。多くの世論調査では、このティサ党がフィデス党を10〜20ポイントもリードしているというから驚きですよね。唯一、政府寄りの機関だけがフィデス党がわずかに先行していると示している、といった状況。
こうした苦しい選挙戦の最中に、トランプ前大統領の強力な盟友であるJDバンス氏が応援に駆けつけるというのは、まさに背水の陣といったところでしょうか。オルバーン首相とトランプ前大統領の関係は2016年に遡ります。オルバーン首相は、EUのリーダーの中で唯一、トランプ氏の米大統領選での当選を支持した人物なんです。それ以来、この友情はさらに深まったと記事には書かれています。
Last month, US President Donald Trump said Orban had his "complete and total support" in a video message to the Hungarian Conservative Political Action Conference (CPAC) in Budapest.
実際、先月ブダペストで開かれたハンガリー保守政治活動会議(CPAC)では、トランプ前大統領がビデオメッセージでオルバーン首相に「完全かつ全面的な支持」を表明したばかり。今回のJDバンス氏の訪問も、この強い結びつきの延長線上にあると見て間違いなさそうです。これはオルバーン首相の次期選挙戦、つまり「オルバーン選挙2025」に向けての、国際的な強力な援護射撃とも受け取れますね。
ロシア制裁免除の行方:ハンガリーのエネルギー戦略と米国との関係
この「JDバンス ハンガリー訪問」の背景には、もう一つ非常に重要な問題が隠されています。それがエネルギー戦略と「ロシア制裁免除 ハンガリー」というテーマ。ハンガリーは、EU諸国の中でもほとんど唯一、ロシア産の化石燃料からの脱却を求めるブリュッセルからの要請に反し続けている国なんです。ロシアとの関係を維持していることで、国際社会、特にEU内での孤立が深まっているようにも見えます。
昨年10月、オルバーン首相がワシントンを訪問した際、彼はロスネフチとルクオイルというロシアの石油大手に対する米国の制裁からハンガリーが免除されるよう、個人的な取引を取り付けたと言われています。記事によると、トランプ前大統領はその後、この免除が「彼自身とオルバーン首相の個人的な取引」であることを明確にした、と指摘しているんです。これはつまり、もしオルバーン首相が今回の選挙で敗れれば、その後継者は改めてこの免除を申請し直す必要がある、ということを示唆している、と読めますよね。
ワシントンでの訪問では、ハンガリーがより多くの米国産液化天然ガス(LNG)や米国の原子力技術を購入することにもコミットしたそうですが、この「個人的な取引」の重みが今回の選挙結果に与える影響は計り知れません。もしオルバーン首相が政権を失えば、ハンガリーのエネルギー政策は大きく転換する可能性も出てくるでしょうし、それはEU全体の対ロシア戦略にも影響を及ぼしかねません。
今回のJDバンス氏の訪問は、ただの選挙応援というだけでなく、ハンガリーの地政学的な立ち位置、エネルギー安全保障、そして米欧関係の複雑な綱引きを象徴している、と私は感じました。国際社会の今後を占う上で、ハンガリーの選挙戦、そしてそれにまつわるJDバンス氏の動きは、要チェックですね。